あなたの親はお元気ですか?今や、10人に3人の方が、親の介護の問題に直面する時代、もはや、介護は他人事ではありません。そこで今回は、いざ自分が介護をする時になった時に覚えておきたい、介護現場における看護師の役割についてお話しします!介護うつになりそうな時は、一人で抱え込まず、私たちのようなプロに相談してくださいね。

いまどきのナース事情, 介護

介護の強い味方になります!介護施設や訪問看護で働く看護師のお話

このコンテンツは、架空のキャラクターである山下リコと伊集院ヨシミが、現役の医師と看護師監修のもと、私たちの健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログです。


こんにちは!
ユリカモメ病院の新人ナース、山下リコです。

あなたの親はお元気ですか?
親が年をとると、どうしても考えなければいけないのが「介護」の問題。

2011年度の調査によると、介護や支援が必要な方の割合は以下のようになっています。
(データ参照元:公益財団法人 生命保険文化センター

介護や支援が必要となる方の割合

年齢層 割合
40歳~64歳 0.4%
65歳~69歳 2.8%
70~74歳 5.9%
75~79歳 13.5%
80~84歳 28.4%
85歳以上 58.4%

そして、実は日本人の平均寿命は、2014年7月の調査時点で、男性が80.2歳、女性が86.6歳でした。
ということは、10人に3人の方が、親の介護の問題に直面することになるんです。

最新の日本の将来人口推計によると、50年後にわが国の総人口は約3割減り、子どもと現役世代が半減、社会全体の約4割が高齢者になります(国立社会保障・人口問題研究所、2012年1月公表)。

そしてこれまでのような数人の現役世代がひとりのお年寄りを支える「騎馬戦型」から、ひとりのお年寄りを1.3人で支える、いわゆる「肩車型」社会へ移行します。

引用元:大介護時代の到来~後期高齢者の約3割が要介護?

しかも、平均寿命はどんどん延びていますので、今よりも多くの方が介護の問題を考える必要が出てくるでしょう。

そんな中で、今、介護の問題はさらに複雑になってきています。
それは、高齢者の方が急増しているというだけでなく、介護施設の数が足りていないことで、「自宅での介護」をしなければいけないケースが増えているからです。

例えば、特別養護老人ホームへの入居待ちは52万人以上(!)というデータもあります。
(参考:大和総研 経済・社会構造分析レポート

自宅での介護の場合、プロの介護福祉士がずっといてくれる介護施設に比べて、大変なことがたくさんあります。
まず何より、介護をする人たちが(例えば、息子さんや娘さん)、介護のプロではない状態からスタートしますので、介護に慣れるまでには苦労が絶えません。

自宅での食事介助

介護には食事のお手伝いをする「食事介助」や、お風呂に入るお手伝いをする「入浴介助」、そして、トイレに行く際のお手伝いをする「排泄介助」などが含まれますが、ご両親の状態に合わせて、それらの方法を覚えなければなりません。

ちなみに、「介助」という言葉は、介護における特定の分野を助けるという意味です。
そして、「介護」というのは、あらゆる介助を行い、対象者が自立できるよう、心技体を含めてサポートをするという意味なんです。

つまり、トータルでご両親を支えてあげないといけないわけですが、介護をする側は24時間介護に徹するわけにはいかないことが多くあります。
例えば、お仕事をして家計を支えている場合や、子育てを平行している場合もあるでしょう。

そんな状況で、介護をおこなうのは大変です。

最近では、介護による疲れから「介護うつ」になってしまう方も増えています。

介護うつになってしまった人

親や配偶者など高齢の家族を介護するストレスから、うつ状態になる人が少なくない。
「介護うつ」と呼ばれ、一人で介護を抱え込んで疲れ、精神的に孤立した時に陥りやすいという。
「まずは介護する自分自身の心の健康に気をつけてほしい」と専門家はアドバイスしている。

引用元:孤立、ストレス 「介護うつ」注意(読売新聞)

そんな状況を受け、これ以上悲劇を生み出さないよう、介護の現場で働く人たちの数を増やそう!という動きが起きています。
例えば、私たち看護師も、介護業界で活躍し始めているんです。

看護師求人サイトである「ナースフル」の情報によると、介護施設での看護師の求人が増えていたり、訪問看護の求人も増えています。

介護業界で今、ナースの需要がすごいんです!

もし、あなたが自宅でご両親の介護を始めることになったとしても、周りを見渡せば、あなたをサポートしてくれる人たちはたくさんいるということを知っておいてくださいね。
くれぐれも一人で抱え込まないようにしてください。

というわけで、今回は「介護業界における看護師の活躍」についてのお話です。
介護施設や訪問看護の現場でますます必要となる看護師の実態について、分かりやすくお話しします。

「自分には関係ないし・・・」という方も、10人に3人は介護の問題にぶつかる昨今、いつかは看護師の力を借りるときがくるでしょう。
ですので、今回の知識をしっかり覚えておいてくださいね。

(※今回の記事では、「介護福祉士」と表現を合わせる意味で、ナースではなく「看護師」という表現を使っています)

介護施設で働く看護師は、介護福祉士にはできない医療行為をおこないます

介護施設での風景

介護施設は病院と違い、基本的には“入居者の方が生活する場所”です。
そのため医師が常駐していません。

また、介護福祉士は、医療行為をすることが法律で認められていません。
そのため、もしもの時のことを考え、医療行為ができる人の存在が必要になります。
そこで、私たち看護師の出番なんです。

看護師がいれば、以下のような医療行為が可能になります。


  • バイタル測定
    (体温、脈拍、呼吸数や血圧を測定します)
  • 簡単な医療処置
    (吸引や口腔ケア、「胃ろう」という胃に直接栄養を送るカテーテルの管理、床ずれのケアをします)
  • インシュリン注射
    (糖尿病の方には日々のインシュリンの注射が必要です)
  • 服薬管理
    (入居者の方が普段服用しているお薬を管理します)

また、入居者の方に気になる病状が見られた際には、医師に連絡・相談し、病院に連れていくかどうかを判断することもできます。
・・・というのも、介護施設は病院と違うため、高度な医療機器がありません。
そのため、高度な医療行為をおこなう場合は、必ず病院へ向かう必要があるんです。
場合によっては、救急車に同行することも。

つまり、介護施設で働く看護師は、“病院との連携役”でもあるんですね。

そして、こういった仕事は、医学知識のある看護師だからこそできることです。
だから、今、介護の現場では看護師が必要とされているわけです。

ちなみに、介護の現場では、介護福祉士がおこなっている「生活の介助(買い物の付き添いなど)」をおこなうこともあります。

すなわち、病院で働く看護師と違って、介護の現場で働く看護師は、その人の「生活そのもの」を支える形になるんです。

訪問看護をしている看護師は、介護者が「介護うつ」にならないよう、心のケアも行います

続いて、訪問看護をおこなっている看護師のお仕事を紹介します。

笑顔の高齢者と看護師

先程もお話しましたが、今、介護施設の数が全国的に足りていません。
高齢者数の急増により、介護施設の準備が間に合っていないんです。
そのため、自宅介護を選ぶ方が増えています。

もちろん、中には、介護施設や病院よりも慣れ親しんだ我が家で日々を過ごしたいという人も多くおられます。

どちらにしても、自宅介護を望む高齢者の方の数は増えているということを知っておいてください。

自宅介護の場合は、介護に慣れない方が介護をする形となるため、介護施設での介護よりも大変なことが多くあります。
その結果、介護する人が、介護疲れによる「介護うつ」になることもあり、介護される側、そして介護する側の双方の心のケアが必要になる場合があります。

訪問看護師のお仕事は、基本的には、ご自宅に訪問して医療的なサポートをする仕事です。
ただ、訪問した際、「なんだか雰囲気がおかしいな」と感じた際には、心のサポートもおこないます。

真面目な介護者の方ほど介護の悩みを一人で抱え込んでしまうことがあるため、心を楽にしてもらうために、訪問看護師が一緒に解決策を考えることもあります。

・・・ということで、訪問看護の場合は、介護施設での仕事以上に幅広い仕事をおこなっているともいえます。
(もちろん、介護施設でのお仕事も、介護施設ならではの大変さがあります)

以下に、訪問看護師ならではのお仕事をまとめてみました。


  • 在宅リハビリテーションのケア
    (日常生活における動作の訓練や、リハビリ用の道具の利用相談など)
  • 医療機器や器具使用者のケア
    (ご自宅で使う医療機器の操作方法のレクチャーなど)
  • 心のケア
    (患者さんだけでなく、介護者の不安な精神状態もケアします)
  • 自治体の在宅サービスや保健・福祉サービス紹介
    (色々な在宅サービスに関する知識があるので、状況に応じてご紹介します)

訪問看護は、看護師にもメリットがあります!

ここまで訪問看護の仕事が社会にとってどれだけ大切かをお話ししてきました。
実は訪問看護の仕事は、看護師からみても給与や勤務スタイルの面などで様々なメリットがあるんです。
そのメリットを3つお話しします!


1、給与水準が高い
看護師として働く看護師は約157万人いますが、訪問看護師として働く人は約3.5万人と、まだまだ少ないのが現状です。(※日本看護協会の2013年の調査
訪問看護師はまだまだ足りていません。
そのため、訪問看護で働いてくれる看護師を増やそうと、給料を高めに設定している訪問看護ステーションが多いんです。
2、「日勤のみ」や「土日休み」で働ける職場が多い
訪問看護師が所属している訪問看護ステーションは、日中と平日だけ営業していることが多いです。
また、1日数時間のみの勤務も可能なので、柔軟な勤務スタイルを実現できます。
夜勤が多く土日に仕事が入ることもある病院と比較すると、体力的な負担が少ないのはいいですね。
3、患者さんに寄り添ったスタイルで仕事ができます
訪問看護の場合は、患者さんの自宅に訪問して看護をします。
そのため、患者さんはリラックスした状態で看護を受けられます。
また、患者さんの日常生活の様子も分かるので、より患者さんに寄り添ったスタイルで仕事ができます。

最近では、20代に病院で勤務した看護師が、結婚や出産などを経て、勤務スタイルが柔軟な訪問看護で活躍しているケースが増えてきています。

訪問看護でがんばる看護師の姿がマンガに!
「ナイチンゲールの市街戦」をご存じですか?

さて、今、看護師業界で話題になっている「ナイチンゲールの市街戦」というマンガをご存じですか?

訪問看護師見習いの主人公が、介護の現場を経験して、一人前の訪問看護師として成長していくストーリーですが、このマンガがすごく心を打つんです。

主人公・宮間美守(25)はナイチンゲールに憧れて病棟看護から訪問看護に身を転じた新米訪問看護師である。
「病棟」がホーム戦なら「訪問」はアウェー戦。街中の家が看護の現場と言われる世界だ。
白衣を脱ぎ捨て自転車でフィールドへ。美守を待つのはどんな利用者か?
若き訪問看護師の奮闘を描く新・医療ドラマ!

引用元:作品詳細『ナイチンゲールの市街戦』 | ビッグコミックスピリッツ公式サイト

このマンガでは、訪問看護の世界で日々起こる、様々な人間ドラマが描かれています。

マンガということもあり、少し誇張された表現があり、内容に関しては賛否両論あるようですが、これまで介護を身近に感じなかった人たちにも、介護の現場について触れていただける一冊だと感じています。

原作者の方のコメントを引用しておきますので、興味をもたれた方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

訪問看護師を主人公に選んだきっかけは、私自身が約5年前に大動脈瘤(りゅう)の破裂で緊急入院し、九死に一生を得る経験をしたことです。
必然的に「死」や「医療」ということを考えるようになりました。

また同じころ、同居していた母親(91)が、私の入院にショックを受け認知症になり、その後、要介護5になってしまいました。
今は訪問看護を頼み、私が食事介助や下の世話をしています。

引用元:頼もしい看護師の姿、描きたい「ナイチンゲールの市街戦」原作者・鈴木洋史さん

私もこのマンガを愛読している一人ですが、第一巻でとても心に響くシーンがあったので、紹介させていただきます。

訪問看護師である主人公・宮間美守が、ある医師から「君はなぜ訪問看護師の道を選ぶのか?」と問われた際、こう答えました。


人には手術だけじゃ取り除くことのできないしこりがあるんです。
・・・手術が終わっても、退院しても、その人たちの人生は続く。

それに寄り添うのが訪問看護師の仕事。

そう、訪問看護師は人生の“ナイチンゲール”なんです!


主人公である美守はまだまだ駆け出しの身なので、失敗も多く、「理想だけじゃダメ」と先輩から叱咤されることも多いのですが、かくいう私も新人ナースなので、怒られることがよくあります。
なので、自分の姿と少し重ねてしまいました。

私もこの先、何かをきっかけに、介護の現場でのお仕事を選ぶかもしれません。
その時には、美守のように自分の仕事に胸を張れるようにがんばりたいと思います!

・・・。

・・・??

・・・そう、私は永遠のナイチンゲール。

ほわわわわわ!

し、師長、突然どうされたんですか?

ナイチンゲールは生涯「独身」を貫き通したというわ。
私がいまだに独身なのは、「そなたはナイチンゲールになりなさい」という神様のお告げだったのね。

も、もしかして・・・。

・・・先週の婚活パーティーうまくいかなかったんですか・・・?

シャラーップ!

サヨナキドリ(別名:ナイチンゲール)

サヨナキドリ(小夜啼鳥、学名:Luscinia megarhynchos)は、スズメ目ヒタキ科に属する鳥類の一種。
西洋のウグイスとも言われるほど鳴き声の美しい鳥で、ナイチンゲール(英語:Nightingale)の名でも知られる。

引用元:サヨナキドリ-Wikipedia-


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