日本人の4人に1人を苦しめている「花粉症」。 花粉症とは、身体の中にできた「抗体」が花粉を有害物質だと勘違いしてしまうことから起きる症状です。 そこで今回は、花粉症が発症するメカニズムをどこよりも分かりやすく解説した上で、花粉症の治療法の最前線から、その症状を和らげるための方法をお教えします!

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花粉症は腸内環境を整えれば予防できる!?花粉症の症状を和らげるための対策や治療法

このコンテンツは、架空のキャラクターである山下リコと伊集院ヨシミが、現役の医師と看護師監修のもと、私たちの健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログです。


・・・クシュン!

寒さがやわらぎ、春が近づく2・3月。
急にくしゃみが出ると「もしかして花粉症になったのかも・・・」と不安になりますよね。

国民病ともいわれる花粉症

こんにちは!
ユリカモメ病院の新人ナース、山下リコです。

春の訪れとともに多くの人を苦しめる花粉症。
今や日本人の約25%が花粉症といわれ、その患者数は年々増えています。
(参考:花粉症ナビ

花粉症になると、鼻水は止まらないは、くしゃみは止まらないは、目はかゆいはで、悲惨なことになります。
また、花粉症の症状を抑えるために服用した薬の副作用によって、ウトウトと眠くなってしまうこともあり、そうなるとお仕事にも支障が出ます。

そんな憎き花粉症ですが、花粉症の話をすると、「うーん、花粉症って大変そうだけど、私は花粉症じゃないから大丈夫だわ♪」なんて言う人がいます。
そういう人たちは、まだ花粉症にかかっていないし、これから先の人生も、自分は花粉症とは縁がないと油断しているのでしょう。

・・・でも、そんな人たちこそ、ある日突然花粉症になるかもしれないんです!

なぜなら、花粉症は、私たちの“ある隙”をついて、ある日突然発症するのでは?といわれているからです。

その“隙”とは「免疫システムがおかしくなったタイミング」。

これまで、花粉症が発症する理由には遺伝的な要素が大きいといわれてきました。
しかし最近、花粉症の発症には、身体の「免疫力」の不具合が関係していることが分かってきたんです。

免疫力とは、わたしたちの体をウイルスや細菌などから身を守ってくれる力のこと。
この免疫力の高さは人によって異なりますが、免疫力が高い人であっても、身体の“あるトラブル”が原因で免疫システムに異常が生じると、花粉症になるリスクがグンと上がってしまうんです。

では、そのトラブルとは一体どんなトラブルなのでしょうか・・?

というわけで、今回は、花粉症の原因となる身体のトラブルを取り上げつつ、最近の花粉症の治療法や花粉症を和らげる方法についてお話しします。
まだ花粉症になっていない人だけでなく、すでに花粉症になっている人も必読の内容です。

ぜひ最後までお読みください。
それでは、まいりますっ!

ちなみに、私も花粉症です(キリッ)。

花粉とIgE抗体の攻防戦が繰り広げられています!

花粉症が起こるメカニズムについて

先ほど、花粉症は「免疫力」が低下すると発症するとお話ししました。
まずは、この免疫力がどういうものかをあらためて説明します。

免疫力とは、私たちの身体の中にある「免疫」という防御システムの強さを指します。

免疫力

私たちの身体は、ウイルスや細菌などから身を守る免疫という防御システムに守られています。
この防御システムは、私たちの身体の中にウイルスなどの異物が侵入したとき、その異物を“敵”とみなし、その敵を攻撃するための物質「抗体」を作ります。
そして、その抗体が敵に“対抗”してくれるからこそ、私たちは病気にかかりにくくなっているんです。

ところが、私たちの免疫システムが何らかの原因で誤作動すると、この抗体が正しく作られないことがあります。

正しく作られなかった抗体は、ドラクエでいうメダパニみたいに、混乱状態となってしまい、色々なものを攻撃し始めます。
その結果、無害なものまで「こいつは有害だ!」と判断して、攻撃しまくってしまうんです。

それを「アレルギー反応」と呼びます。

抗体は、何かを攻撃するとき、身体の中にある色々な武器を使います。
例えば“鼻水”や“くしゃみ”や“涙”などは、抗体が使う武器なんです。

異物と闘う抗体のイメージ

鼻から侵入しようとする異物があれば、鼻水を溢れさせて攻撃したり、くしゃみを起こさせて風の力で攻撃したり、目から侵入しようとする異物には、涙を流させて攻撃したり・・・。

これって何かに似てますよね・・・?
そうです、花粉症の症状です!

実は花粉症とは、私たちの免疫システムの誤作動によって生まれた抗体が、本来は何の害もないはずの花粉を攻撃対象と誤解して、鼻水やくしゃみや涙で応戦している状態を指します・・・!

この「一体何と闘っているんだ・・・!?」とツッコみたくなる抗体は、「IgE抗体(アイジーイーこうたい)と呼ばれます。

このIgE抗体が花粉症を引き起こすまでの過程を、もう少し詳しく説明しておきましょう。

「IgE抗体」が花粉症を引き起こすまでの詳しい流れ

  1. 免疫システムが誤作動を起こすと、身体が花粉を敵だと判断し始めます。
  2. すると、白血球の一種であり、免疫機能を担当する血液細胞である「リンパ球」が「IgE抗体」という抗体を作ります。
  3. このIgE抗体は、花粉を迎撃するために、花粉が入りやすい場所である目や鼻に移動します。
    そして、目や鼻の粘膜にある「脂肪細胞」という場所に付着し、次に花粉が入ってくるときを待ち構えます。
  4. その後、花粉が体内に入ってくると、脂肪細胞に付着していたIgE抗体が「待ってたぜ!返り討ちにしてやる!」とばかりに攻撃を仕掛けます。
  5. ただ、攻撃を仕掛けるといっても、IgE抗体が直接攻撃するわけではありません。
    自分の周りにいる脂肪細胞に「ヒスタミン」という物質を分泌するよう命令するのです。
    なぜなら、くしゃみや鼻水を引き起こすためには、このヒスタミンという物質が必要だからです。
  6. IgE抗体の命令によって分泌されたヒスタミン。
    このヒスタミンが鼻水やくしゃみや涙を引き起こします。
    それはまさに総攻撃、いや、スーパーコンボといっても過言ではありません。
  7. かくして、IgE抗体はヒスタミンの力を借りて、花粉が体内へ侵入するのを食い止めることができましたとさ。
    めでたし、めでたし。

・・・って全然めでたくないですよね。

花粉症によるくしゃみ

何度も言いますが、この花粉を巡る戦い、ものすごく不毛な戦いです。
なぜなら、誰もトクをしないのですから・・・。

では、なぜ、こんな不毛な戦いが起こってしまうのでしょうか?
というか、そもそも、なぜ、免疫システムは誤作動を起こしてしまうのでしょうか?

その誤作動の原因こそが、私たちの免疫力の低下なんです!

免疫力が低下する理由

私たちの免疫力は、さまざまな理由で低下します。
その理由のうち、最近注目されているのが、腸内環境の悪化によるものです。

私たちの免疫力を司る細胞を「免疫細胞」といいます。
実はその免疫細胞の7割は、私たちの腸の中で作られているってご存じでしたか?

さらには、腸の中で生まれた免疫細胞は、腸の中にいるたくさんの細菌たちによって、強くたくましい免疫細胞になるよう、鍛えられることになります。

免疫細胞の7割は私たちの「腸」に生きているとお話ししましたが、実は、免疫細胞が元気に暮らしているのは、腸に住む「腸内細菌」のおかげなんです!

腸内細菌とは、腸に棲みついた「菌」のこと。

「えっ!?菌のおかげ!?なんだか菌って体に悪そうな響きがするんだけど・・・」と思ったのなら、あなたは菌のありがたみを知らなければなりません!

実は腸にいる細菌は、NK細胞をはじめとした免疫細胞を鍛えてくれているんです。
いわば、免疫細胞が強くなるためのトレーニング相手。

そのトレーニングとは、体の中にいるほかの菌と闘うための模擬戦のようなもので、トレーニングをクリアした免疫細胞だけが、体の中をパトロールできるようになるんですね。

引用元:免疫力を高めるなら「腸内細菌」を増やそう!免疫力アップ8つの方法

ちなみに、私たちの腸の中には、なんと約100兆個の細菌が棲みついているといわれています。
それら細菌がつくる寝床(集落)はとても美しく、ギリシャ神話の花の女神の名称をとって、「腸内フローラ」とも呼ばれているんです。

腸内フローラのイメージ
(※画像は腸内フローラのイメージです)

この腸内フローラの中で、免疫細胞はたくさんの細菌にトレーニングをしてもらっています。

ただ、この腸内フローラの中が乱れてしまうと、免疫細胞がうまくトレーニングを受けられず、何をしたらいいのか分からずに混乱してしまうようになるんです。
それがいわゆる免疫システムの誤作動です。

つまり、免疫システムの誤作動を防ぐためには、腸内フローラの環境が乱れないようにする必要があります。

腸内フローラの環境を整えるためには、腸内細菌を増やすことが大切です。
たとえば、ビフィズス菌が入った飲料や乳酸菌飲料を飲んだり、発酵食品を食べることで、腸内細菌は増やすことができます。

詳しくは以下の記事をチェックしてみてくださいね。

ちなみに、人によっては、腸内環境の乱れとは別の理由で花粉症になってしまう人がいます。
それには、体内に侵入してきた異物に対して抗体を作りやすい「体質」が関係しています。

その体質は「遺伝」によるものが大きいため、花粉症を発症しやすいかどうかは、遺伝にも影響されるということを知っておいてください。


さて、ここまでは花粉症が発症するメカニズムをお話してきました。
ここからは、発症してしまった花粉症にどうやって対処すべきか?ということをお話ししていきます。

そのためには、まずは、自分の身体の中に起きている異変が花粉症によるものかどうかを確認することが大切です。
というわけで、続いて、その確認方法をお話しします!

そのくしゃみや鼻水、風邪か花粉症かを見極めよう!
花粉症かどうかを確認するチェック項目 4つ

花粉症といえば、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが主な症状として知られてます。
そのほかにも、胃腸の不調や頭痛、さらには肌荒れといった全身症状が出ることもあります。

花粉症の症状

症状だけを聞くと、風邪の症状とも似ていますよね。
ただ、本当は花粉症なのに風邪だと勘違いしてしまうと、治らない症状に苦労することになってしまいます。

そこで、花粉症かどうかを見極めるためのチェック項目をまとめてみました。
以下の4つの項目に多く当てはまる場合は、風邪ではなく、花粉症の可能性が高いです・・・!


  1. 鼻水が水のように無色でサラサラしている
  2. くしゃみが連続して何度も出る
  3. 左右の鼻が詰まり、鼻で息ができないほどになる
  4. 発熱やのどの痛みがない

また、もし、上記の症状が1週間以上続いている場合は、花粉症である可能性が濃厚です。
風邪なら通常1週間以内に症状が治まるからです。

もし、判断に迷う場合は医師に相談して、花粉症かどうかを診断してもらいましょう。
花粉症の診断には下記のような検査があります。

耳鼻科で花粉症を相談

耳鼻咽喉科では下記のような検査をおこない、花粉症かどうかを調べてくれます。


1.血液検査
花粉に反応するIgE抗体の有無や量を調べます。
2.鼻鏡検査(びきょうけんさ)
専用のスコープを使って、鼻の粘膜の状態を確認します。
3.鼻汁好酸球検査(びじゅうこうさんきゅうけんさ)
鼻水の中で「好酸球」の増加を調べます。
(「好酸球」とはアレルギーがあると増える白血球の一種です)
4.皮膚テスト
腕の内側の皮膚に花粉症のアレルギーを引き起こす物質を付け、花粉に反応するIgE抗体を調べます。

こういった検査を経て、花粉症であることが分かった場合、次のような治療が施されます。

花粉症の治療法 3つ

花粉症だとわかった場合、医療機関でおこなわれる治療法は大きく分けて3つあります。


  1. 薬物療法
  2. 手術療法
  3. アレルゲン免疫療法

それぞれの治療法について、詳しく説明していきますね。

【花粉症の治療法】
1.薬物療法

薬物療法とは、薬を服用することで花粉による症状をやわらげる治療法です。

花粉症対策の薬

花粉症で使用される薬は、主に「抗アレルギー薬」「ステロイド薬」のふたつです。

抗アレルギー薬にはアレルギーを抑える効果があり、ステロイド薬には炎症やアレルギー反応を抑える効果があります。
また、抗アレルギー薬は、よく使われるものに下記の2種類があり、花粉症の症状により使い分けられます。


1.抗ヒスタミン薬
放出されてしまったヒスタミンによるアレルギー症状を抑えます。
「くしゃみ・鼻水型」の花粉症によく用いられます。
2.抗ロイコトリエン薬
血管に働きかけて鼻通りをよくする作用があります。
「鼻閉型(鼻づまり)」の花粉症によく用いられます。

花粉症の症状は、大きく分けると「くしゃみ・鼻水型」「鼻閉型(鼻づまり)のふたつに分かれます。
基本的には「くしゃみ・鼻水型」には抗ヒスタミン薬が処方され、「鼻閉型(鼻づまり)」には抗ロイコトリエン薬が処方されます。

もし、医師の診断を受けずに市販薬を利用している場合は、ご自身が使用しているお薬が症状に合っているかどうかを、成分表示などをもとに確認してみてくださいね。
分からない場合は薬局にて薬剤師さんに相談してみてください。

花粉症に関する薬の種類については、下記サイトで詳しく紹介されていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

【花粉症の治療法】
2.手術療法

鼻のレーザー治療

手術療法とは、花粉を感知する鼻の粘膜の一部をレーザーで焼くことで、花粉が付着してもアレルギー反応が起こらないようにする治療法です。

「鼻の中をレーザーで焼く」と聞くと、とても痛そうに感じますよね・・・。

でも、安心してください。
手術時には鼻の中に麻酔液を塗るため痛みは少ないんです。
また、手術時間も約30分ほどで終わることが多いので、身体への負担も少なめです。

ただ、この手術の欠点は、手術の効果が数年しかもたないことです。
なぜなら、鼻の中の粘膜は数年で再生してしまうからです。

そのため、効果を持続させたい場合には、数年ごとに手術をする必要があるんです。

【花粉症の治療法】
3.アレルゲン免疫療法

注射する方法

アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因である花粉を体内に入れることで、身体を花粉に慣れさせて、アレルギー反応を弱めていく治療法です。

この方法は一時的にアレルギーを抑える対処療法(※)ではなく、体質から変えていく、根本的なアレルギー治療であることが特徴です。
(※対処療法(たいしょりょうほう)とは病気によって起きている症状を一時的に和らげる治療法のこと)

実はこの治療法、治療を受けた人の約80%に効果があり、そのうち約20%は完治するそうです!
全体の約80%に効果があるということは、約20%の人には効果がないことになりますが、それでもスゴイですね・・・!
(参考:スギ花粉の舌下免疫療法|目黒通りハートクリニック

このアレルゲン免疫療法は、下記の2種類の方法があります。


1.減感査療法(げんかんさりょうほう)
アレルギーの原因物質を精製した「治療用エキス」を皮膚の下に注射する方法です。
月1回の通院を1、2年続けていく必要があります。
2.舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)

2014年10月から保険適応になった新しい治療法です。
この舌下免疫療法は、その名の通り、舌の下にアレルギーの原因物質を精製した「治療用エキス」を垂らす方法です。
自分でもおこなえる方法のため、注射をおこなう「1」の「減感作療法」よりも通院回数が少なくて済みます。
ちなみに、この治療法を開始する場合、スギ花粉が飛散していない時期になり、5月~12月が一般的です。
治療に関する詳しい説明は下記のサイトをぜひチェックしてください。


いかがでしたか?
花粉症がひどい場合には、医療機関へ足を運ぶといいことが分かりましたか?

ただ、忙しい方の場合、なかなか医療機関へ足を運べなかったりします。

そこで、ここからは、医療機関へ足を運べない方のために、自分の力で花粉症の症状を“緩和”する方法をお教えします。

その方法はいたってシンプル。
花粉症の原因は「花粉」なのですから、あなたはその花粉になるべく触れないようにすればいいのです!

花粉症の症状を抑えるためには、とにかく花粉に触れないこと!

花粉症の症状を抑えるためには、花粉になるべく触れないことがベスト。
シンプルですが、それがもっとも確実な対処法です。

というわけで、ここからは、あなたのまわりの花粉量を最小限に抑える方法をお教えします!

花粉症の季節は服の素材に注意

【花粉量を最小限に抑える】
1.花粉を室内に入れない 

まずは、あなたが着ている洋服の素材に気を遣いましょう。
なぜなら、洋服の素材によって、付着する花粉の量が変わってくるからなんです!

花粉が付着しやすい素材は、「ウール」「ファー」「フリース」といった、表面の繊維が毛羽立っているものです。

「ウール」「ファー」「フリース」といった、表面の繊維が毛羽立っている素材でできている服

逆に、花粉が付着しにくい素材は、表面がツルツルした素材やポリエステルです。

例をあげると、花粉が付着しやすいウールのセーターで1時間外出した場合、約8万個の花粉が付着するといわれています。
その一方で、花粉が付着しにくい綿素材の服で外出した場合には、ウールのセーターの約20%ほどの花粉しか付着しません。
(参考:花粉が飛散する時期の衣類への「付着量」は?

このように、洋服選びに気をつけるだけで、室内に持ち込む花粉症の量を抑えることができます。

また、帰宅時には、家に入る前に衣類や髪についた花粉をはたき落としましょう。
その場合も、花粉が付着しづらい素材の服だと、どんどん花粉を落とせます。

ちなみに、洋服に花粉症が付着するのは外出の時だけではありません。
洗濯した衣類を屋外に干しているときにも、花粉は付着してしまいます。

ですから、花粉症のシーズンはなるべく洗濯物は部屋干しにし、花粉の付着を防ぎましょう。
もし「部屋干しすると、変なニオイがするからイヤ・・・」という方は、ぜひ部屋干し用洗剤を試してみてください。
部屋干し用洗剤を利用すると、部屋干しのイヤな臭いが抑えられるんですよ。

花粉症の季節は部屋干ししよう

また、洗濯時に柔軟剤を使用すると、花粉が付きにくくなります。
実は柔軟剤には繊維に引っ付きやすい“陽イオン系の界面活性剤”が含まれていて、それらの成分がバリアのように衣服の表面を覆ってくれます。
だから、衣服に花粉が吸着しにくくなるんです!

【花粉量を最小限に抑える】
2.花粉を室内で飛ばさない

加湿器で花粉の飛散を防ぐ

先ほど、花粉を室内に持ち込まない方法についてお話しましたが、どんなに用心しても室内の花粉をゼロにすることはできません。

室内の花粉が飛ばないよう、加湿器を利用して部屋の湿度を上げてみましょう。
室内の湿度が上がれば、花粉が湿気を含み、重くなって落下するからです。

ちなみに、最近の空気清浄機には、加湿機能だけでなく、花粉を吸いこむ機能(!)なども付いています。

【花粉量を最小限に抑える】
3.屋外に出る際はマスク・メガネ・帽子の3点セットを身につけよう

花粉をつけないためには帽子・眼鏡・マスク

屋外に出る際には、マスク・メガネ・帽子の3点セットを身につけましょう。

マスクはもっとも効果的な花粉症防護グッズです。
最近では、花粉症対策用のマスクも多く市販されています。
なかでもオススメは、マスクの中に水で湿らせたガーゼが入っているタイプなんです。

続いてはメガネ。
メガネは通常のメガネをかけるだけでも、目に入る花粉量を減少してくれます。
さらには、花粉症用のメガネなら、さらに減少してくれるんです!

花粉対策メガネ

そして、帽子も優秀な防護グッズ。
帽子は私たちの髪の毛に発生する静電気を抑え、花粉の付着を防いでくれるからです。


また、花粉症は食生活を見直すことでも緩和できるんです。
というわけで、続けて、花粉症を緩和するための食事のコツを取り上げます。

花粉症を緩和する食事のコツ

花粉症の症状を軽くするためには、アレルギー作用を抑える食材や、免疫力を高める食材を摂りましょう。
とくに花粉症の改善に効果的なのが、「ポリフェノール」という成分と、「乳酸菌」です。

「ポリフェノール」の入った食材を摂れば、ヒスタミンの発生とアレルギーによる炎症を抑えることができます

ポリフェノールとは、植物が光合成によって作り出す“色素”や“苦味”の成分のことです。

ポリフェノールは、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの発生を抑えるだけでなく、強い抗酸化力を発揮して、アレルギーによる炎症を抑える効果があります。
ポリフェノールを摂取するためには、たとえば、下記のような食材を食べるといいでしょう。

ポリフェノールはどの植物にも含まれていますが、植物や食材によって、その含有量が異なるんです。


  • トマト、ニンジン、ホウレンソウ、レンコン、リンゴ、シソの葉やシソジュース
  • イチゴなどのベリー類
  • 納豆や味噌など
  • チョコレートやココア

野菜レシピ検索エンジン「クックル」では、ポリフェノールを摂取するためのレシピがたくさん公開されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ポリフェノールを含んだレシピ

また、このポリフェノールが多く含まれるお茶を飲むのもオススメです。
たとえば、「甜茶(てんちゃ)「べにふうき緑茶」は、花粉症を緩和する効果があるといわれています。

【ポリフェノールを摂取できるお茶 その1】
甜茶(てんちゃ)

甜茶は花粉症に効果あり

甜茶は甘味のあるお茶で、中国が原産地です。
紅茶を薄めたようなさっぱりした飲み口で飲みやすく、ノンカフェインなのでお子さんが飲んでも安心です。

この甜茶(てんちゃ)の中でも、バラ科の「甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)という種類のお茶は、花粉症にとくに効果的だといわれています。
この甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)には、甜茶ポリフェノールが多く含まれていて、目のかゆみや鼻水、くしゃみを引き起こすヒスタミンを抑える効果があるからです。

この甜茶(てんちゃ)は、お近くの薬局やドラッグストアなどで、ティーパックやサプリメントが売られていますので、興味のある方は試してみてくださいね。

【ポリフェノールを摂取できるお茶 その2】
2.べにふうき緑茶

甜茶は花粉症に効果的

べにふうき緑茶とは、日本で作られたアッサム種とダージリン種の紅茶を掛け合わせたお茶です。
このお茶はポリフェノールの一種である「メチル化カテキン」を多く含んでいて、スギ花粉への効果が証明されています。

べにふうき緑茶は生産量が少なく入手しづらいですが、ネットショップなどで見つけることができます。
興味のある方は調べてみてくださいね。

「乳酸菌」には免疫機能に働きかけ、花粉症を抑える効果があります!

花粉症の症状が出るメカニズムは、IgE抗体が花粉を敵と誤解して、くしゃみや鼻水の原因となるヒスタミンを分泌することでしたよね。

乳酸菌は、このIgE抗体が作られるのを抑える効果があります。

とくに「KW乳酸菌」「L-92乳酸菌」といった乳酸菌は花粉症に効果が期待できるといわれています。
最近ではこれらの乳酸菌の名前がついた乳製品が市販されていますので、積極的に取り入れてみてください。

ヨーグルトは花粉症に効果あり

腸内フローラの環境を整え、免疫力を高めよう!

さて、今回の記事のはじめに、私たちの免疫システムは腸内環境の悪化により不具合を起こすとお話ししました。
その腸内環境の悪化とは、すなわち、「腸内フローラ」と呼ばれる腸内細菌の寝床にトラブルが起こることです。

実は腸内フローラの中には、花粉症などのアレルギー症状を抑えてくれる免疫細胞が住んでいます。
その細胞は、「Tレグ(制御性T細胞)と呼ばれ、暴走した免疫機能を抑える細胞として今注目されています。

このTレグ細胞は、1995年、日本の坂口志文(さかぐち しもん)京都大学教授によって発見されました。
2015年のNHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」でも取り上げられ、今、医療業界で大注目の免疫細胞なんです。

研究の結果、このTレグ細胞は、腸内環境が正常であれば増える一方で、腸内環境が悪化すると活動が鈍くなって減少することが分かりました。
その結果、花粉症などのアレルギー症状が発症するリスクが上がってしまうんです。

では、このTレグ細胞をうまくコントロールするにはどうすればいいのでしょうか?
その答えはズバリ、腸内環境にトラブルが起こらないよう、腸内を整えることです。

腸内環境を整える方法は以下の記事で取り上げています。

せっかくですので、上記記事に書かれているノウハウを抜粋しておきますね。


  1. ビフィズス菌が入った飲料や、乳酸菌飲料を飲む!
  2. 発酵食品を食べる!
  3. 腸内細菌の“餌”となる「オリゴ糖」「食物繊維」を含む野菜を多く摂る!
  4. 食事を工夫し、腸内細菌を減らさない!
  5. 潔癖になりすぎない!

花粉の飛散状況について

スギ花粉

これまで、花粉症の原因や治療法について話してきました。
最後に、花粉症の人にぜひチェックしてほしい、花粉の飛散状況が分かるページをご紹介しておきます。

そのページとは、日本気象協会が運営する、tenki.jp内にある花粉情報のページです。

このページをブックマークしておけば、全国各地のその日の花粉の飛散量が分かります。
お出かけ前に便利なページですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

また、スギ、ヒノキ、イネといった花粉別の飛散の時期を知りたい方は、以下のページもオススメです。

このページでは、アレルギー反応を起こしやすい主な花粉の種類と飛散時期が掲載されています。
たとえば、スギ花粉は九州や関東地方では1月下旬から飛び始めますが、関西地方では2月上旬から飛び始めるんです。


いかがでしたか?

いまや国民病ともいえる花粉症。
調査によると、4人に1人が花粉症にかかっているそうです。
(参考:スギ花粉症の患者さんは何万人ぐらいいるのでしょうか?(第一三共株式会社)

もし、すでに花粉症にかかっている方は、今回お教えしたノウハウを使って、花粉症と上手に付き合っていってくださいね。

花粉症予防のポイント

花粉症での「IgE抗体」と「花粉」の関係ってあれよね。
男女のカップルにおける悲劇みたいだわ。

えっ・・・!?
男女のカップルの悲劇・・・ですか・・・?

あるところに、とても仲がよかった20代のカップルがいたの。

ふたりは愛し合い、その様子は周りがうらやむほどだったわ。

そんなある日、そのカップルの女性は彼氏のシャツに口紅が付いていることに気付いたの。

えっ・・・!

問い詰める彼女に対し、彼氏は「通勤電車の中に誰かに付けられた」と弁解した。
でも、彼女はその彼氏の言い訳を信じない。

やがて彼女は、彼氏を自分の部屋から追い出し、二度と自分の部屋に入れることはなかった・・・。

彼女は彼を愛しすぎていた分、彼氏のシャツに付いた口紅にショックを隠しきれなかったのよ。

・・・でも、その彼氏のシャツに付いていた口紅は、本当に通勤電車の中で付けられたものだった。

喧嘩したカップル

そ、そんな・・・!
そのカップルはどうなっちゃったんですか!?

時すでに遅し。

ふたりは別れ、やがて彼氏は別の女性と結婚したわ。

そして、それを知った女性は後悔したの。

「なんで彼のことを信じてあげられなかったのか」って。

・・・そう、彼女は彼と別れてからもずっと、彼のことを愛していたのよ。

・・・。

「IgE抗体」と「花粉」との関係を見ているとね、そんな悲劇のストーリーを思い浮かべてしまうのよ。

も、もしかして・・・。
そのストーリーに出てくる彼女って・・・師長・・・。

さあさ、仕事に戻るわよ。
スギ花粉だけに、スギゆく(過ぎゆく)日々は戻らない、ってね。

・・・師長・・・!

この記事の監修にご協力いただきました!

安田洋先生

安田洋先生

目黒通りハートクリニック院長
医学博士
循環器専門医
東京内科医会理事
公益社団法人モバイル・ホスピタル・インターナショナル理事

平成25年、目黒区鷹番に目黒通りハートクリニックを開院。
生活習慣病・心臓病のスペシャリストであるが、AGA/ED治療やピル外来・プラセンタ注射などあらゆる悩みに対応できるクリニック院長として活躍中。
とくに被曝が全くないエコー超音波検査による診断・治療がクリニックの特長。

先生からのメッセージ

病気の情報がネット上にあふれていて便利な時代ですが、怪しい情報もいっぱいあります。
できるだけ正確にわかりやすい情報を提供したいと思います。


当サイトは現役の医師と看護師の監修のもと、健康に関するわかりづらい情報を、架空のキャラクターである「山下リコ」と「伊集院ヨシミ」が話者となり、わかりやすく解説するために生まれたサイトです。

本サイトに書かれている情報は、現役の医師と看護師の監修のもとで提供されていますが、サイト内で紹介している各種ノウハウの効果にはどうしても個人差があります。
そのため、皆様の判断と責任のもとで参考にしてください。

もし、体調が悪いときや身体に異変を感じているときには、当サイトの情報だけで自己判断せず、必ず医療機関を受診するようにしてください。


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