あなたは靴を履いて歩いているときに親指の付け根が痛むことはありますか?もし、痛みを感じていたら、それは「外反母趾(がいはんぼし)」かもしれません。「外反母趾は、ヒールがある靴を履く女性がかかる病気」と思っている人がいるかもしれませんが、実は男性でも外反母趾になる可能性はあるんです! というわけで、今回は外反母趾の原因や治す方法について紹介します。

人間の身体の知識, 病気の知識

外反母趾は女性だけの病気ではありません!痛みがつらい外反母趾の原因と治し方

このコンテンツは、架空のキャラクターである山下リコと伊集院ヨシミが、現役の医師と看護師監修のもと、私たちの健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログです。


突然ですが、あなたは靴を履いて歩いているときに、親指の付け根が痛むことはありませんか?
そんな方は、もしかしたら「外反母趾(がいはんぼし)になっているかもしれません!

こんにちは!
ユリカモメ病院の新人ナース、山下リコです。

外反母趾とは、足の親指が小指側に曲がり、親指の骨が変形している状態を指します。

外反母趾の見た目

この外反母趾は、症状が悪化してくると親指の付け根が痛くなったり、痛みによって歩けなくなったりするんです・・・!

歩けないほどに親指の痛みが強くなると、痛む親指をかばって、身体の重心が自然とかかとに偏(かたよ)ります。
すると、身体はバランスを保つために、無意識に首を前に突き出す姿勢になってしまいます。
姿勢が悪くなってしまうと、頭痛や肩こり、腰痛などの症状を引き起こすこともあるんです・・・!

足の親指が変形することが全身の不快症状へとつながってしまうなんてコワいですね・・・!

外反母趾に苦しむ女性

では、外反母趾になりやすいのは、どんな人でしょうか?
「外反母趾は、ヒールがある靴を履く女性がかかりやすい病気でしょ」と思っているかもしれませんが、女性はもちろんのこと、実は子供や男性でも外反母趾になる可能性はあるんです!

ハイヒールの女性の足

それは、外反母趾が起こる原因にあります。
外反母趾は、足の親指が長かったり、足の筋力が弱っていたりすることで起きるため、性別や年齢は関係ないんです。
ですから、外反母趾に関する知識は、女性だけでなく男性も知っておいてくださいね。

また、外反母趾で親指が曲がってしまっても、痛みが出ないことがあります。
しかし、痛みがないからと放っておくと症状はどんどん悪化してしまうんです。
ひどくなると、最悪の場合、手術が必要になることも・・・!

そのため、「もしかしたら外反母趾かもしれない」と思った初期の段階で、早めに対処しておくことが大切です。
初期の段階なら、外反母趾を悪化させない方法もあるからです!

というわけで、今回は外反母趾の原因や治し方について紹介していきます。

それではまいりますっ!

外反母趾の原因は、足の骨格構造が崩れてしまうことだった

まず、なぜ外反母趾になってしまうのか、その原因について説明していきましょう。

「私は外反母趾かもしれない・・・」と思っている方は、外反母趾のチェック方法や治し方を早く知りたいと思われているかもしれません。
ただ、外反母趾の原因を知っておけば予防にもつながりますので、少しお付き合いくださいね。

さて、冒頭で外反母趾の原因は、足の筋力不足が関係しているとお話ししました。
足の筋肉は「足の骨格構造」を支えています。
ですから、外反母趾の原因を知るには、「足の骨格構造」について知っておくことが重要なんです。
なぜなら、足の筋力が弱いと足の骨格構造が崩れてしまい、それが外反母趾の大きな原因となるからなんです・・・!

足裏は3つのアーチ構造で支えられている

私たちは普段歩くときに、2つの足裏で体重を支えていますよね。
そのため、足の骨や筋肉は、足にかかる体重の負荷に耐えられるような仕組みになっています。

土踏まず

たとえば、足の裏にある「土踏まず」は地面には接していない“アーチ構造”をしています。
アーチ構造は、川にかかる橋などに用いられることからもわかるように、外からの力に強い形なんです。

アーチ型の端は丈夫

足裏にはこうしたアーチが、土踏まずを含めて合計3つ存在しています。
これらのアーチが足裏に存在することで足裏への負荷を減らすことができ、私たちはスムーズな歩行ができるんですね。

足にはアーチがある

逆に言えば、何らかの原因でこの足裏のアーチが崩れてしまうと、足への負荷が大きくなってしまうともいえます。
そして、この足裏のアーチが崩れることが、外反母趾を引き起こすきっかけになっていくんです・・・!

足裏のアーチが崩れてしまうと外反母趾になりやすい

足裏のアーチが崩れてしまう原因は、足の筋力が弱いことです。
アーチ構造は、足の筋肉によって足の骨がギュッと寄せられることで維持されています。
そのため、足の筋力が弱いと足の骨を寄せることができず、足裏のアーチがなくなってしまうんです。

足の筋肉が不足

足裏にあるアーチがなくなると、どんなことが起きるのでしょうか。

足裏にある、縦のアーチがなくなると「偏平足(へんぺいそく)」になる

足裏の縦のアーチがなくなると、「偏平足(へんぺいそく)になってしまいます。
偏平足とは、土踏まずがなくなってしまい、足裏がピッタリと地面に接している足のことです。

偏平足

偏平足の状態で歩いていると、親指の骨に負荷がかかります。
なぜなら、土踏まずがなくなると足の内側に負荷がかかって体のバランスが崩れてしまい、それを親指が支えようとするからです。

そして、親指に大きな負荷がかかると、親指の根元部分の関節が耐えられなくなり、親指の関節が「亜脱臼(あだっきゅう)になってしまいます。
亜脱臼とは、骨の結合が緩くなり、ずれてしまった状態を指します。

親指が亜脱臼になっている状態で靴を履くと、靴による圧迫に対して抵抗力がなくなってしまうため、親指が小指側に曲がってしまうんです。
この状態が「外反母趾」なんです・・・!

足裏にある、横のアーチがなくなると「開帳足(かいちょうそく)」になる

足裏にある、横のアーチがなくなると「開帳足(かいちょうそく)になってしまいます。
開帳足とは、足の甲の盛り上がりがなくなって足の横幅が広くなった状態のことを指します。
足の横幅が広くなると、靴を履いたときに親指が強く圧迫されるようになるため、外反母趾になりやすいんです。


いかがでしょうか。
足のアーチ構造がどれだけ重要なのかがわかりましたか?
つまり、足のアーチ構造が崩れなければ、外反母趾になることもないということです!

ただ、残念ながらいくつかの理由によって、足裏のアーチが崩れやすい人がいます。
そういう人の特徴を次に紹介します。
あなたに当てはまるものがないかをチェックしてくださいね。

外反母趾になりやすいのは、足の筋力が弱い人や足の指が長い人

足裏のアーチが崩れてしまうのは、足の筋力不足が原因でした。
足の筋力が弱くなり、外反母趾になりやすいのは以下のような人たちです。


1.足の指が長い人
人は歩くときに足の指を使って地面を蹴りだすようにして歩きます。
しかし、足の指が長い人は靴の中で足の指が自由に動かせないため、足の指を使って足を蹴りだすことができません。
そのため、足の筋肉を十分に使っていない状態で歩くことになります。
2.足の親指がもっとも長い人
足の指のうち親指がもっとも長い場合は、親指が靴に当たりやすく、圧迫されてしまいます。
3.足首が内側に傾いている人
まっすぐ立った時に足首が内側に傾いている人は、歩いている時に足を内側にひねる「過回内(かかいない)」という動作をとっています。
過回内で歩くと足の内側に負荷がかかるため偏平足になりやすく、親指の付け根に負荷がかかります。
4.裸足で歩く機会が少ない人
裸足で歩くと、自然と足の指を使って歩くことになります。
しかし、現代人はほとんど裸足で歩く機会がありません。
また、足に合った靴を履いている人は少ないため、靴を履いた状態では足の筋肉をきちんと使うことができません。
そして、使われていない筋肉は衰えてしまいます。
5.女性
女性は男性と比較すると筋力が弱いため、アーチ構造が崩れやすいです。
また、関節が柔らかく、ヒールがある靴で足を圧迫されていることが多く、女性は外反母趾になりやすいんです。

私たちが裸足になる機会は減っていますし、忙しい日々で運動不足になりがちですから、誰もが外反母趾になる可能性があるといえます。
ただ、外反母趾の患者は男性より女性のほうが10倍以上も多いので、女性はとくに注意が必要です。

また、あなたの家族に外反母趾の人がいる場合は、あなたも外反母趾になる可能性が高いです。
なぜかというと、外反母趾の原因である足の骨格や筋肉の質などは、遺伝することが多いからなんです。

外反母趾は遺伝しないが、筋肉の質は遺伝する

こうした情報を聞いて、「もしかしたら私は外反母趾かもしれない・・・」と思った方のために、次では外反母趾かどうかのチェック方法について説明します。

あなたの足が外反母趾なのかをチェックしよう

あなたの足が外反母趾なのかをチェックする方法を説明します!

やり方はとってもカンタンです。
まず、30cmほどの定規とペン、A4サイズの紙を用意しましょう。
そして、紙の上に足を置いて、下記の手順を試してください。

外反母趾の角度


  1. 親指と親指の付け根の出っ張りに定規を当てて線を引きます。
    イラストの“緑色の線”です。
  2. 次に親指の付け根とカカトの内側に定規が当てて線を引きます。
    イラストの“水色の線”です。
  3. 上記の“1”“2”の線が交差する部分の角度を確認します。
    イラストの“赤い部分の角度”です。

上記の“3”の角度によって、外反母趾の症状の重さがわかります。


  • 15度未満:正常
  • 15度~20度未満:軽度の外反母趾
  • 20度~40度未満:中度の外反母趾
  • 40度以上:重度の外反母趾

あなたの親指の傾きは、どうでしたか?
親指の傾きが15度以上ある場合は外反母趾である可能性が高いです。
(ちなみに、上記のイラストの角度は40度なので、重度の外反母趾です)

もし、重度だった場合は早めに整形外科を受診するようにしてくださいね。

では、軽度で痛みがない外反母趾の場合はどのように治したらいいでしょうか。
外反母趾は手術をしないと治らないと思われているかもしれませんが、実は、手術をしなくても悪化を防ぐ方法があるんです。

というわけで、次は外反母趾の治し方について説明していきますね。

外反母趾の治し方は“手術”か“保存療法”の2種類

外反母趾の治し方には2種類あり、“手術”と、手術をせずに症状の悪化を防ぐ“保存療法”です。

外反母趾の一般的な手術は、親指の付け根から甲にかけての骨を切って矯正する手術です。
“骨を切る”と聞くと大手術のように感じますが、最近では局所麻酔で手術をすることができるので、入院の必要がなくその日のうちに帰れることが多いんです。

ただ、症状が深刻な場合は、全身麻酔を行って手術するケースもあり、その場合は3~7日ほど入院します。
完治までの期間は4ヶ月ほどで、その後は普通の靴を履いて歩いたり、長時間の立ち仕事もしたりできます。
手術をする場合は、どれくらい経てば歩けるようになるのか、大体の期間について、医師としっかり相談してくださいね。

整形外科で相談

また、病院で外反母趾と判断された場合でも、まずは“保存療法”から実施していくことがあります。
保存療法には、以下の4つの方法があります。


  1. 運動療法で足裏のアーチを取り戻す
  2. 「インソール」で足裏のアーチを矯正する
  3. テーピングやサポーターで親指の向きを矯正する
  4. 正しい歩き方をマスターして足裏のアーチを取り戻す

それぞれについて、説明してきますね。

【外反母趾の保存療法】
1.運動療法で足裏のアーチ構造を取り戻す

“運動療法”は、弱くなった足の筋肉を鍛えて足裏のアーチ構造を復活させたり、曲がった親指の関節を柔らかくして元の位置に戻したりする方法です。

この運動療法は、外反母趾の角度が20度くらいまでの軽度の人にオススメです。
中度以上の外反母趾の場合は、運動療法によって症状が悪化する恐れがあるので、整形外科で相談してくださいね。

それでは、外反母趾の主な運動療法を4つ、紹介します。


1.足指じゃんけん
足の指でグー、チョキ、パーの形を順番に作っていき、5~10回ほど繰り返します。

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2.タオルのたぐり寄せ
フェイスタオルやバスタオルを床に広げて、タオルの前に椅子を置いて座ります。
そして、両足をタオルの上に置き、足指でタオルをつまんでたぐり寄せます。
これを5回ほど繰り返します。

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3.ホーマン体操
椅子に座り、幅の広いゴムを両足の親指に引っ掛けます。
そして、かかとをくっつけた状態のまま左右に足を動かし、ムリのない範囲でつま先を5~10秒ほど開きます。
これを20回ほど繰り返します。

ホーマン体操

4.親指ストレッチ
ストレッチする足と同じ側の手で、足を握って固定します。
そして、反対側の手で足の親指を持ち、ゆっくりとムリのない範囲で親指を上下左右に引っ張ります。
これを30回ほど繰り返します。
片側が終わったら、反対側の足も同じように行ってください。

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こうした運動療法を続けていくと、普段使っていなかった足の筋肉を鍛えることができます。
ぜひ継続して、足裏のアーチを復活させてくださいね。
(もし、痛みを感じた場合はすぐに体操を中止して、整形外科を受診するようにしてください。)

外反母趾の運動療法

【外反母趾の保存療法】
2.「インソール」で足裏のアーチを矯正する

外反母趾で整形外科を受診すると、あなたの足にピッタリと合うインソールをオーダーメイドで作ってくれます。
「インソール」とは、靴の中に入れるクッション性のある中敷きです。
足裏のアーチが正しい形になるようにサポートしたり、足の内側に重心がかかるのを防いだりします。

インソール

インソールを使用するときは靴選びも重要です。
外反母趾の人は、次の点に注意して靴を選ぶようにしましょう。


  • 先端が広くなっていて、指が自由に動かせる
  • 足幅が合っていて大きすぎない
  • 柔らかい材質である
  • 足にフィットしている

外反母趾の靴選び

このような条件を満たしている靴は、親指を圧迫したり、親指が曲がったりしません。
できれば、靴選びの専門家がいるお店などで、しっかりとフィッティングして選ぶようにしましょう。
オーダーメイドで自分の足にぴったり合った靴を作るのもいいですね。

【外反母趾の保存療法】
3.テーピングやサポーターで親指の向きを矯正する

曲がってしまった親指を元の位置に矯正するには、テーピングやサポーターを利用しましょう。

外反母趾に対処するサポーター

テーピングやサポーターは薬局などで手軽に入手できますので、ぜひ試してくださいね。
テーピングの方法については、以下の動画を参考にしてください。

【外反母趾の保存療法】
4.正しい歩き方をマスターして足裏のアーチを取り戻す

足の筋肉が弱いのは、歩き方が間違っていて足の筋肉が使えていないことが原因のひとつです。
そのため、歩き方を矯正できれば、足の筋肉を鍛えることができます。

そこでお教えしたい正しい歩き方のポイントは、“着地”“蹴りだし”のふたつです。

正しい歩き方の着地のポイント

着地の時はかかとから着地し、前方の足のヒザが完全に伸びきっているようにしましょう。
そして、つま先が上を向いて反るようにしてください。

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正しい歩き方の蹴りだしのポイント

足を蹴りだす時は、つま先立ちになる感じで、親指と人差し指のあたりから蹴りだします。

蹴りだし

これらの歩き方のポイントを意識するだけで、いつもよりスムーズに歩くことができます。
正しい歩き方を続けていくだけで、症状の改善が期待できますよ。
下記のページには、正しい歩き方についての詳しい解説が紹介されていますので、参考にしてくださいね。


いかがでしたか?
外反母趾が悪化してしまうと足の痛みだけでなく、全身にも影響が出てきてしまう可能性があります。
そして、誰もが外反母趾になる可能性があるんです。

ただ、外反母趾は症状が軽いうちなら改善することができます。
足の筋力が弱っていたり、足に負担がかかっているなぁと感じたりしている方は、早めに対策をして外反母趾を予防しましょう!

外反母趾・・・。
まさに、現代病の筆頭とも言えるわね。

えっ?
昔の人は外反母趾にならなかったんですか?

だって、江戸時代の人とかは、下駄や草履などの足を圧迫しない履き物だったし、今みたいな便利な乗り物もなくて歩く機会が多かったから、きっと足の筋肉がついていたはずよ。

なるほどです・・・!


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